ミョウガについて

ミョウガはショウガ科ショウガ属に属す多年草で、生姜の近縁種に当たります。一般的にイメージする赤っぽい芽の様な形状のミョウガは「花みょうが」とも呼ばれるように花(花蕾)部分です。

独特の香りや苦味を持つミョウガは好き嫌いが別れますよね。さっぱりとした風味と見た目にも綺麗なことから冷奴や素麺の薬味として夏場によく利用されています。季節感のある薬味としてのほか、天ぷらや甘酢漬けなど野菜としても使われることがあります。

ところでミョウガというと「物忘れがひどくなる」「馬鹿になる」などの俗説がありますが、じつは近年の研究ではミョウガが集中力や記憶力向上に役立つ可能性があることが報告されています。物忘れの心配はせずに、夏バテ防止に取り入れてみてください。

ミョウガの効果

ミョウガは約95%が水分で100g12kcalと低カロリーな反面、ビタミンやミネラルの含有量はそれほど多くありません。しかし芳香成分や辛味成分などの働きがありますので、薬味として少量利用するだけでも健康維持に効果が期待できます。

冷え・むくみ改善

ミョウガに含まれている芳香成分α-ピネン(アルファピネン)や辛味成分ミョウガジアールなどには血流を促す作用があるとされ、血行が良くなることから冷えの緩和に役立つと考えられています。ミョウガにはカンフェンという抗炎症作用を持つ芳香成分も含まれていますので、血行を促すことで身体を温める働きと合わせて、神経痛やリウマチによる痛みの緩和にも役立つと言われています。

またα-ピネンには発汗を促したり、利尿作用を高める作用もあるとされています。ミョウガには含有量は多くはありませんが、カリウムも含まれています。血流改善と相乗してむくみの緩和にも効果が期待できます。血行促進や消化促進などの働きと合わせてデトックス効果も期待できます。

風邪予防・夏バテ対策に

漢方の考え方でミョウガは体を冷やす「涼性」に分類されているものが多いようですが、生姜の仲間であることや血流改善に役立つなどの理由からか「温性」に分類されているものもあります。成分的に見ても血行促進から身体を温める働き・発汗利尿により、こもった熱を体外へ排出する働きの両方があります。

そのため夏バテなどの緩和をはじめ、一日中空調の効いた室内にいることから起こる身体が冷えて不調を起こす場合などにも有効とされています。余分な熱を冷ましますが、身体を冷やし過ぎる心配は少ないので冷え性気味の方でも取り入れやすいでしょう。加えてα-ピネンには消化促進作用があるとされており、ミョウガの持つシャキシャキした食感や爽やかな風味と合わせて夏バテによる食欲減退時にも有効です。

またα-ピネンには免疫力向上作用が、カンフェンには抗菌・抗ウイルス作用や抗炎症作用があるとされています。風邪予防としても利用できますし、身体を温めつつ放熱を促す性質から解熱促進に、炎症を抑える働きもあるので喉の痛みのケアにも期待できます。風邪をひいてしまった後の症状緩和に活用できるでしょう。

ストレス対策・集中力アップ

ミョウガの芳香成分α-ピネンには神経系の興奮を鎮めることでストレス緩和やリラックス効果があるとされています。α-ピネンはアロマテラピーなどでは“森林浴効果”と称されており、精神・神経強壮にも役立つとされていますからストレス緩和だけではなくストレス耐性アップにも効果が期待できるでしょう。

またα-ピネンは大脳皮質を軽く刺激することで頭をスッキリと覚醒させる働きもあるとされています。この働きから近年ミョウガは物忘れしやすくなるところか、集中力や記憶力を高める働きが期待されています。お昼ご飯などに取り入れることで眠気覚ましにもなりますし、夏バテ気味の体の気分転換にも役立ってくれるでしょう。

女性特有の症状に

ミョウガ独特の香りの中にはゲラニオールという芳香成分も含まれています。ゲラニオールは女性ホルモンの1つであるエストロゲンの分泌を促す働きがあるとされ、ホルモンバランスを整える働きが期待できます。中医学でもミョウガは「血の巡りを良くし、経絡を整える」とされ、ホルモンバランスの乱れを整える働きがある食材とされています。そのため月経不順や更年期障害の改善に役立つと考えられていますし、α-ピネンなどの血行を改善する働きと合わせて冷えによって悪化している生理痛や腹痛・腰痛等の緩和にも役立つと言われています。リラックス効果と合わせて更年期障害や月経前症候群(PMS)による、イライラや気分の落ち込みなど精神面の不快感緩和にも効果が期待できます。

老化予防・目の疲れに

ミョウガの赤紫色は色素成分「アントシアニン」によるものです。アントシアニンはポリフェノールの一種で抗酸化作用がありますし、目の網膜にあるロドプシンの再合成を助けることで目の疲れの緩和や視覚機能改善・眼病予防などに有効とされています。

アントシアニン以外にも抗酸作用を持つビタミンC、ビタミンEやβ-カロテンを含みますが、ミョウガ100gあたりで見ても含有量は多くないため、薬味として利用する場合の摂取量は微量となります。

ミョウガは抗酸化に関わる酵素の構成成分となり、抗酸化をサポートしてくれるマンガンを多く含んでいますので、抗酸化・アンチエイジングを考える場合は緑黄色野菜などと組み合わせて摂ると良いでしょう。肌への働きとしては血行促進効果からお肌のくすみ緩和に、ホルモンバランスが整うことで肌荒れや乾燥肌の改善などにも役立つと考えられます。

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すふらぶ編集部

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